【第2回】紅茶のおいしさの正体~ポリフェノール編~

【第2回】紅茶のおいしさの正体~ポリフェノール編~

「紅茶の渋みが苦手…」と感じたことはありませんか?
でも実は、この“渋み”と“コク”こそが、紅茶の世界を奥深くしている立役者。
その正体は――ポリフェノールという植物由来の成分たちです。

紅茶の原料となる茶葉には、もともと「カテキン」というポリフェノールがたっぷり。
このカテキンが、紅茶の製造工程(発酵=酵素的酸化)の中で「テアフラビン」や「ジアルビジン」という別の成分に“変身”します。

この「変身」が、紅茶特有の美しい赤色や深いコク、複雑な香りを生み出す秘密。
渋みの中にまろやかさが感じられるのは、これら多彩なポリフェノールが絶妙なバランスで溶け合っているからです。

 

◆ インド三大紅茶、それぞれの個性とポリフェノール

紅茶といえば世界中で様々な産地がありますが、
今回はインド産紅茶――ダージリン、アッサム、ニルギリ――にフォーカス。

ダージリンは「紅茶のシャンパン」とも呼ばれ、爽やかな香りとやさしい渋みが特徴です。
テアフラビンなどの“発酵由来”のポリフェノールが適度に含まれ、すっきりした飲み口と上品な余韻を演出してくれます。

アッサムはインド北東部の豊かな大地で育ち、どっしりとしたコクと力強い渋みが魅力。
テアフラビンやジアルビジンの量が多めで、ミルクティーにしても負けない深みが楽しめます。
この濃い色と豊かな味わいも、ポリフェノールがしっかり“変身”しているからこそ。

ニルギリは南インドの高原地帯で作られる紅茶。
クセが少なく、さわやかで軽やかな口当たり。
適度な渋みとすっきりとした味わいは、バランスのよいポリフェノール構成によるものです。
ストレートでも、レモンティーにしても相性抜群。

同じ“インド産紅茶”でも、産地や気候、茶葉の持つ個性によってポリフェノールの含有バランスや“変身のしかた”が異なるんです。


◆ 美容と健康の味方、紅茶のポリフェノール

実はポリフェノールは「健康成分」としても有名。
強い抗酸化作用で、体の中の“サビ”を防ぐ力があるといわれています。

  • 紫外線やストレスが気になる季節

  • 仕事や家事で忙しくても、美しさをキープしたいとき

  • 年齢とともにエイジングケアが気になる方

…そんな時も、紅茶のポリフェノールがそっと寄り添ってくれるかもしれません。

さらに、「血糖値上昇の抑制」や「脂質代謝サポート」などの働きも研究されていて、食事やスイーツとのペアリングを楽しみつつ、健康意識をプラスできるのも嬉しいポイントです。

 

◆ あなたはどんな気分で紅茶を選びますか?

今日は「ダージリンの優雅な香りでリラックス」?
「アッサムの濃厚なコクでしっかり目覚め」?
「ニルギリの爽やかさで午後をリフレッシュ」?

産地ごとのポリフェノールの違いを知ると、“飲み比べ”もいっそう楽しくなります。

ぜひ、ご自身の気分やシーンに合わせて、お気に入りの一杯を見つけてみてください。

 

「渋みもコクも、美しさも――
紅茶の成分たちが織りなす“アート”だったんだ」
そんな新しい発見とともに、明日のティータイムがもっと特別な時間になりますように。

(次回は「紅茶の“ほっとする力”の秘密」。
カフェインとテアニンの話もお楽しみに!)

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